OSやアプリを最新に保とう(Windows編)

脆弱性管理

あなたのパソコン、最後にアップデートしたのはいつですか?
「通知は来るけど面倒で…」「あとでやろうと思ってた」そんな人も多いはずです。ですが、OSやアプリの更新は、ウイルスや不正アクセスから自分の情報を守るための第一歩。今回は、Windowsを使っている方向けに「なぜ更新が必要なのか」「どうやって更新するのか」などをわかりやすく解説します。


なぜ「最新」にする必要があるの?

ソフトウェアには必ず「弱点(=脆弱性)」があります。開発者はそれに気づくとすぐに修正パッチを配布しますが、攻撃者はその“すき”を突いて、あなたのパソコンに侵入しようとします。特にWindowsは世界中で使われているため、常に攻撃の的になっています。

アップデートには以下のような役割があります:

  • 新しく見つかった脆弱性の修正
  • セキュリティ機能の強化
  • バグ(不具合)の改善
  • 動作速度や安定性の向上

更新=防御の最前線なのです。


Windows Updateとは?基本のしくみを知ろう

Windowsには「Windows Update」という標準機能があります。これにより、マイクロソフトが配布する以下のような更新が自動または手動で行われます:

  • 品質更新プログラム(毎月配信、主にセキュリティとバグ修正)
  • 機能更新プログラム(年に1回程度、新機能の追加や大規模改善)

通知が来たときは「あとで再起動しよう」と思いがちですが、そのまま放置してしまうと、攻撃のリスクが高まります。


更新を怠るとどうなる?実際の被害例

事例①:WannaCry(ワナクライ)ランサムウェア

2017年、世界中で大規模に広がったウイルス「WannaCry」は、古いWindowsを狙った攻撃でした。マイクロソフトは事前に修正パッチを配布していましたが、適用していなかった多くの企業や機関が被害に遭い、業務停止やデータの暗号化を引き起こしました。

事例②:更新されていないアプリからの個人情報漏えい

PDFリーダーや画像編集ソフトなど、Windowsアプリの古いバージョンには脆弱性が残っている場合があり、そこから攻撃者に入り込まれることもあります。


Windowsを最新に保つためのステップ(Windows 11編)

Windows 11では、標準で「自動更新」が有効になっており、重要なセキュリティ更新プログラムは自動的にダウンロード・インストールされます。
しかし、すべての更新が自動で適用されるわけではありません。特に以下のような更新プログラムは、ユーザーが手動で適用する必要があります


🔹 自動で適用されない場合がある更新の例

  • 機能更新プログラム(年1回程度の大型アップデート)
  • オプションの品質更新(パフォーマンス向上や軽微な修正を含む)
  • 一部のドライバー更新やサードパーティ提供の更新

このような更新は、ユーザーのタイミングで内容を確認してからインストールできます。


✅ ステップ1:更新状態を確認する

ときどき以下の手順で更新の状況をチェックしましょう。

  1. スタートメニュー → 「設定」
  2. 「Windows Update」をクリック
  3. 「更新プログラムのチェック」を選ぶ
  4. 「ダウンロードとインストール」をクリックして更新を行う
  5. 再起動が必要になる場合がある

ここで「利用可能なオプションの更新があります」と表示された場合は、必要に応じて適用するかを判断できます。とくに、パフォーマンス改善や互換性向上に関わるアップデートは適用がおすすめです。


✅ ステップ2:アクティブ時間を設定する

自動更新による再起動が作業時間中に起きると不便です。
「アクティブ時間」を設定しておけば、再起動が起きる時間帯を制御できます。

  • 設定方法:
    「設定」→「Windows Update」→「アクティブ時間の変更」
    作業時間帯(例:9時〜18時)を指定しましょう。

✅ ステップ3:再起動のタイミングを管理する

アップデートの適用後には再起動が必要な場合があります。
「再起動をスケジュール」機能を使えば、自分の都合の良い時間に再起動を設定できます。


✅ ステップ4:不要な「更新の一時停止」は避ける

Windows Updateには「一時停止」機能がありますが、長期間の停止は脆弱性の放置につながります。やむを得ない場合でも、期間が終了したらすぐに再開しましょう。


💡 補足:オプション更新も見逃さない

以下のような「オプションの更新」は、セキュリティ上の必須ではないものの、安定性や利便性の向上に役立ちます

  • ハードウェアドライバーの更新
  • ソフトウェア機能改善のパッチ
  • 互換性対応の修正プログラム

手動で更新状況を確認し、内容に応じてインストールするとよいでしょう。


Windowsを安全に保つには、自動更新を有効にしつつ、定期的に手動チェックも行うのがベストです。
セキュリティ対策の基本として、アップデートは「面倒でもやるべき」ものではなく、効率的かつ自動化された守りの仕組みと考えるべきです。

更新トラブルへの対処法

  • 更新が進まない場合:「一時ファイルの削除」「ストレージ容量の確認」
  • エラーが出る場合:「トラブルシューティングツール」から自動修復を試す

どうしてもダメなときは「Microsoft Update カタログ」から手動でダウンロードも可能です。


アプリの更新も忘れずに

OSの更新だけでは十分ではありません。日常的に使うアプリも更新が必要です。特に以下はセキュリティに関係するので注意しましょう:

  • ブラウザ(Chrome、Edge、Firefoxなど)
  • PDFリーダー(Adobe Acrobat Readerなど)
  • オフィスソフト(Microsoft 365、旧Office製品)
  • セキュリティソフト・VPNソフトなど

Microsoft Store からインストールしたアプリは、自動更新が有効になっていればバックグラウンドで更新されます。「Microsoft Store > ライブラリ」から手動で確認もできます。


不要なアプリは削除しておこう

使っていないソフトウェアを放置していると、知らないうちに古くなり、攻撃の入り口になることがあります。次のようなアプリは削除を検討しましょう:

  • 使っていないフリーソフト
  • 初期インストールされたままの試用版ソフト
  • 長期間アップデートされていないアプリ

削除は「設定 > アプリ > インストールされているアプリ」から行えます。


まとめ:更新は手間ではなく、安全の習慣

セキュリティ対策というと「ウイルス対策ソフト」ばかり注目されがちですが、OSとアプリを常に最新に保つことが、最も基本で最も効果的な防御策です。

  • アップデートは通知が来たらなるべくすぐに実施
  • アプリも定期的に見直し、更新または削除
  • 自動更新機能を活用し、「放置しないこと」が大切です

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