パソコンだけでなく、スマートフォンでもパスワードを確認・入力できると、とても便利です。
出先でSNSやクラウドサービスにログインする機会も多いため、スマートフォンとの連携は欠かせません。
今回は、KeePassのパスワードデータベースをスマートフォンで使う方法を紹介します。
スマートフォンのアプリの選択
参考までにAndroidとiPhoneそれぞれの主なKeePassアプリの特徴やおすすめを以下にまとめます。迷ったら、Androidなら「KeePass2Android」、iPhoneなら「KeePassium」を選択するのがよいと思います。
この記事では、Androidアプリ「KeePass2Android」を例に、設定から使い方までをやさしく解説します。他のアプリを利用したい方はこの記事を参考にそれぞれのアプリのホームページなどを参考に設定してみてくださいね。
AndroidのKeePass対応おすすめアプリ
アプリ名 | 特徴 | おすすめ度 |
---|---|---|
KeePass2Android | クラウド連携・指紋認証対応。初心者にも扱いやすい。UIも見やすい | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
KeePassDX | 軽量で多機能。細かな設定ができ、上級者にも人気 | ⭐⭐⭐⭐☆ |
KeepassDroid | 古いファイル形式(*.kdb)のみ対応。軽量だが更新頻度が少ない | ⭐⭐☆☆☆ |
結論:
- 初心者やクラウド連携したい方 → KeePass2Android
- カスタマイズ性や軽さを求める方 → KeePassDX
- 旧ファイル形式を使っている場合のみ → KeepassDroid
iPhoneのKeePass対応おすすめアプリ
アプリ名 | 特徴 | おすすめ度 |
---|---|---|
KeePassium | モダンなUI。Face ID対応。iCloudやDropboxと連携可。無料で使いやすい | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
Strongbox | セキュリティ重視。生体認証やYubiKeyに対応。Pro版は有料 | ⭐⭐⭐⭐☆ |
結論:
- 無料で手軽に使いたい方 → KeePassium
- より強力なセキュリティを求める方(有料可) → Strongbox
KeePass2Androidとは?
KeePass2Androidは、AndroidスマートフォンでKeePassのパスワードデータベース(*.kdbxファイル)を利用できる無料アプリです。
以下の特徴があります。
- KeePassで作成したファイルをそのまま利用可能
- クラウドストレージ(Google Drive、Dropbox、OneDriveなど)に対応
- マスターパスワード、キーファイル、Windows認証など多様な認証方法に対応
- オフラインでも使用可能
連携の準備(前提条件)
スマートフォン連携には、以下の準備が必要です。
- パソコン版KeePassで作成したパスワードデータベース(*.kdbx)
- クラウドストレージ(Google Drive、Dropbox、OneDriveなど)
- 同期済みのクラウドフォルダ(パソコンとスマホ両方からアクセス可能)
- Androidスマートフォン
- KeePass2Androidアプリ(Playストアで無料入手可能)
ステップ1:KeePass2Androidをインストール
- AndroidのGoogle Playストアを開きます
- 「KeePass2Android」で検索します
- 開発元が「Philipp Crocoll (Croco Apps)」であることを確認し、インストールします
未インストールの場合下記の図の赤囲み部分が「インストール」となっているのでそこをタップしインストールします。

ステップ2:クラウドストレージと接続する
- KeePass2Androidを起動します
- 「ファイルを開く」を選びます
- 使用しているクラウドストレージ(例:Google Drive)を選びます
- 同期されている*.kdbxファイルを選択します

私が設定したときには、Google Drive選択の前に以下の画面が表示されました。
英文メッセージの意味は「GoogleはアプリからのGoogle Driveへのアクセスを制限されるユーザーが増えているので、もしビルトインのGoogle Driveアクセス(上のスクリーンショットの赤枠囲み)がうまく動作しなければ「システムのファイルピッカー」(下のスクリーンショットの赤枠囲み)の中のGoogle Driveを選択してください」です。私は上記のGoogle Driveアクセスで正常に接続できましたがうまくいかないときは、このメッセージの指示にしたがって設定してみてください。

KeePassのクラウドについては、以下の記事も参考にしてください。
ステップ3:認証方法を設定する
KeePassのデータベースを開くときに、以下の方法で認証を行います。
- マスターパスワード
- キーファイル(キーファイル認証する場合、スマホにもコピーしておく必要あり)
ステップ4:スマートフォンでの使い方
「KeePass2Android」アプリでスクリーンショットが制限されておりスクリーンショットが掲載できないので、文字での説明が中心となりますが、ご容赦願います。
- パスワード情報(エントリー)の登録
- 「+」のアイコン→「エントリーを追加」をタップし、エントリーのタイプを選択します。通常のパスワードは「標準のエントリー」で大丈夫です。
- その後、タイトル、ユーザー名、パスワード、URL、メモなどを入力します。
- グループの追加
- グループはパスワードエントリーを分類するカテゴリーです。標準でWindows, インターネット、ネットワークなど6つのグループが登録されていますが、自分で必要なグループを追加することができます。
- 「+」のアイコン→「グループを追加」をタップし、グループ名を入力します。
- パスワード情報の利用
- 利用したいユーザー名、パスワードを使いたKeePass2Androidのパスワードエントリーを選択します(ユーザー名、パスワードなど詳細情報まで見える画面を表示)
- 次にそのユーザー名、パスワードを使いたいページを開きます(以下は楽天のページ)
- そのページの右下のキーボードマークをタッチします

-
- KeePass2Androidを選択します

-
- ユーザー名やパスワードをキーボードのボタンをタッチして入力します
- パスワードに「サイト別要素+コアパスワード」を使っている場合はパスワードがKeePassから入力されたあとにコアパスワードを追加入力します。

- パスワードエントリー画面では各項目の右側メニューボタン(︙)でクリップボードにコピーできます
- パスワードエントリー画面のURLから、ユーザー名、パスワードの画面に飛ぶことができます
セキュリティ上の注意点
スマートフォンでパスワードを扱うときは、以下の点に注意しましょう。
- スマートフォンにも画面ロックや生体認証を設定しておく
- KeePass2Androidにアプリのタイムアウト(一定時間操作がないと再認証)を設定する(規定値5分)
- クリップボードのタイムアウト(一定時間経つとクリップボードをクリアする)を設定する(規定値5分)
- キーファイルをスマホに保存する場合は、他人がアクセスできないように保護する
- 公共のWi-Fiでクラウドファイルにアクセスしない
まとめ
この記事ではスマートフォンで使用できるKeePassアプリの紹介とを行い、KeePass2Androidを例にインストールから使い方の紹介を行いました。スマートフォンのKeePassアプリを使えば、クラウドストレージと組み合わせることで、PCと同じパスワードデータベースを共有し、簡単にパスワードデータを扱うことができます。
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