無料でここまでできる!Google ドライブを使ったセキュリティ対策

クラウドストレージ

クラウドストレージを安全に使うには、基本的な機能の理解と、きちんとした設定が欠かせません。前回はクラウドストレージ全体に共通するセキュリティの考え方を紹介しましたが、今回はGoogle ドライブに特化し、無料プランでも活用できるセキュリティ対策を詳しく解説します。

Google ドライブは、Googleアカウントさえあれば無料で利用でき、ファイルの保存や共有がとても簡単です。ですが、その利便性の裏には、設定ミスやアカウントの乗っ取りといったリスクも潜んでいます。

ここでは「アカウント保護」「共有設定」「ファイル復元」といった基本機能の活用に加え、Google ドライブに備わっているその他の無料セキュリティ機能についても紹介します。


アカウント保護を強化する(パスキー・2段階認証)

Google ドライブを安全に使うためには、まずGoogleアカウント自体をしっかり守ることが第一歩です。
以下がGoogleアカウントのセキュリティ設定画面で2段階認証・パスキー設定の入り口です。

パスキーと2段階認証(2FA)は両方設定が必要?

基本的にはパスキーだけでかなり強力な認証となります。
しかし、例えばGoogle ドライブに重要情報を保存するなど、よりセキュリティを強化したい場合は、2段階認証を組み合わせることで、より多層的な防御となり安心感が増します。

認証方法特徴安全性
パスキー(推奨)生体認証/PINと組み合わせる新方式◎ 非常に強い
2段階認証(MFA)パスワード+スマホ認証コードなど○ 強い

パスキーの活用でさらに安全に

さらに近年では、パスキー(Passkey)を使ったログインも可能になりました。これはスマートフォンの生体認証やPINコードでログインできる仕組みで、パスワードより安全です。

  • Windowsa設定方法:Google アカウント → 「セキュリティ」 →「パスキー」
  • Android設定方法:GoogleアプリやChromeの右上のGoogleアカウントのアイコンをタップ→「Google アカウントを管理」→画面上部のタブから 「セキュリティ」 を選ぶ→「パスキー」の項目で設定する

2段階認証プロセスを有効にする

通常のパスワードだけでは、万が一情報が漏えいした際に不正ログインされてしまう可能性があります。そこで活躍するのが「2段階認証」です。スマホに届く通知やコードによって、本人確認を強化できます。

  • 設定方法:Google アカウント → 「セキュリティ」 →「2段階認証プロセス」

ログイン履歴を定期的にチェック

知らない端末からアクセスされていないか、ログイン履歴も定期的に確認しましょう。怪しい操作があれば、すぐにアカウントのパスワードを変更してください。


誤共有を防ぐ!Driveの共有設定を見直そう

Google ドライブでは、ファイルやフォルダを他人と共有することが簡単にできます。便利な反面、設定を誤ると誰でもアクセス可能な状態になってしまうことがあります。

リンク共有を「制限付き」にする

共有リンクを「リンクを知っている全員」に設定すると、誰かにリンクを転送された場合でも見られてしまいます。「制限付き(指定ユーザーのみ)」にしておけば、共有先を限定できます。

ブラウザにログイン後、ブラウザからGoogle ドライブにログインしてファイル操作を行います。

  • 設定方法:ファイル/フォルダ右クリック →「共有」→「一般的なアクセス」→「制限付き」

編集権限と閲覧権限の違いを理解する

制限付きで共有相手を追加すると、共有相手に「閲覧者」、「閲覧者(コメント可)」か「編集者」かを設定できます。重要な資料は「閲覧者」や「閲覧者(コメント可)」にとどめ、編集できる人は最小限にしましょう。

共有状態を定期的に見直す

過去に共有したファイルが不要になっている場合は、共有を解除しておきましょう。
自分がオーナーで共有中のファイルを探す方法は以下のとおりです。

  1. Driveで「自分のファイル」または「マイドライブ」に戻る
  2. 各ファイルを右クリック →「共有」から手動で共有状態を確認
  3. 「閲覧者」「編集者」が表示されていれば、共有済みです

現時点ではGoogle ドライブで共有状態を一括して確認する良い方法はありません。Google ドライブで大量のファイル・フォルダの共有状態を一つひとつ手作業で確認するのは現実的ではなく、非常に手間がかかります。

そこで以下の点に気を付けて管理をしてください。

  1. スプレッドシートでGoogle ドライブでの共有操作を記録・管理する
    例えば以下のような記録用スプレッドシートを作成し、「共有したら記録する」ことをルール化する
記録用スプレッドシートの一部(イメージ)
ファイル名種類URL共有先権限共有方法共有日用途
顧客向け見積書.xlsxファイル[リンク]client@example.com閲覧のみ招待2025/06/24見積書確認用
提案資料2025フォルダ[リンク]marketing@team.com編集可社内リンク共有2025/06/15社内レビュー用

2. 共有を記録していなかった場合、Google ドライブの「アクティビティパネル」を利用して共有を効率的に探す

  • Google ドライブの画面右上の「ⓘ(詳細)」アイコン → 「アクティビティ」タブを開く
  • 最近の「共有操作」「リンク変更」などが一覧で表示されます
  • 誤操作や共有の記録が残るので、そこから対象ファイルに絞って確認が可能です

誤削除や上書きに備える!ファイル復元と履歴管理

うっかりファイルを削除したり、誤って上書きしてしまった場合でも、Google ドライブなら復元できるチャンスがあります。

ゴミ箱からの復元

削除したファイルは30日間ゴミ箱に残ります。必要なものをうっかり削除しても、すぐに復元できます。

  • 操作方法:左側メニュー「ゴミ箱」→ 該当ファイルを右クリック →「復元」

バージョン履歴で上書きミスに対応

同名ファイルを何度も保存してしまった場合も、Google ドライブは過去のバージョン履歴を残しています。古い状態に戻すことができるので安心です。

  • 操作方法:ファイル右クリック →「ファイル情報」→「版を管理」
  • 戻したい過去のファイル名横の「︙」をクリックして「ダウンロード」により別ファイルとして保存

アクティビティ履歴の確認

「いつ、誰が、どんな操作をしたか」もDrive上で確認できます。共同作業中のトラブル防止にも役立ちます。

  • 操作方法:ファイルを選択 → 右上の「i」ボタン →「アクティビティ」

そのほかの無料セキュリティ機能も活用しよう

Google ドライブには、さらにセキュリティを高める機能がいくつか用意されています。これらも合わせて活用しましょう。

Googleセキュリティ診断を定期実行

Googleが提供する「セキュリティ診断」では、自分のアカウント設定が安全かどうかをチェックしてくれます。問題があればその場で修正できます。

不要な連携アプリを解除する

Driveと連携している外部アプリやサービスが多すぎると、情報漏えいのリスクが上がります。使っていないアプリは削除しましょう。

  • 操作方法:Google アカウント →「セキュリティ」→「サードパーティ製のアプリとサービス」

Driveの通知設定を活用

Driveに関する通知(ファイルの共有、変更など)をオンにしておくと、不審な動きにいち早く気づけます。

  • 操作方法:Google ドライブ → 設定(歯車マーク) → 通知設定

まとめ:無料でもここまでできる、だから活用しよう

Google ドライブは、無料でありながら強力なセキュリティ機能がそろっています。
特別なソフトを使わなくても、基本の設定と少しの工夫で、大切な情報をしっかり守ることができます。

  • アカウントは2段階認証やパスキーで守る
  • ファイルは共有設定で「限定」する
  • 万が一のために復元や履歴も活用する

今日紹介した内容は、すべて無料の範囲内で実現可能です。
あなたのGoogle ドライブを、今すぐ見直してみませんか?

コメント

タイトルとURLをコピーしました