無料でここまでできる!OneDriveを使ったセキュリティ対策

クラウドストレージ

大切なファイルや写真、仕事のデータをクラウドに保存する時代になり、OneDriveのようなサービスは私たちにとって欠かせない存在になりました。便利に使える一方で、「うっかり誰かに見られてしまった」「削除してしまった」などのトラブルも少なくありません。こうしたリスクを減らすには、使い方を見直し、セキュリティを意識した設定を行うことが大切です。

この記事では、Microsoftが提供するOneDriveを安全に使うための「無料でできるセキュリティ対策」を、初心者にもわかりやすく紹介します。アカウントの保護、ファイル共有の制御、削除したデータの復元、パソコンとの同期に関する注意点など、すぐに実践できる内容を中心に、登録セキュスペのエイトが丁寧に解説します。


OneDriveのセキュリティ対策全体像

OneDriveは、Windowsに標準搭載されているクラウドストレージサービスです。Microsoft アカウントを持っていれば誰でも無料で使え、WordやExcelとの連携もスムーズです。セキュリティ対策も複数用意されており、無料プランでもかなりの保護機能を利用できます。

以下のようなポイントを押さえることで、OneDriveをより安全に使うことができます。

  • アカウント保護(2段階認証/パスキー)
  • 共有設定(リンク/アクセス権)
  • ファイル復元(ゴミ箱/バージョン履歴)
  • 同期設定の使い分け
  • 定期的な共有状況の見直し

これらの機能をうまく活用すれば、OneDriveを安全かつ便利に使い続けることができます。それでは、具体的な設定方法や注意点を見ていきましょう。


アカウント保護(2段階認証/パスキー)

パスキーと2段階認証(2FA)は両方設定が必要?

基本的にはパスキーだけでかなり強力な認証となります。
しかし、例えばGoogle ドライブに重要情報を保存するなど、よりセキュリティを強化したい場合は、2段階認証を組み合わせることで、より多層的な防御となり安心感が増します。

認証方法特徴安全性
パスキー(推奨)生体認証/PINと組み合わせる新方式◎ 非常に強い
2段階認証(MFA)パスワード+スマホ認証コードなど○ 強い

パスキーの活用(対応端末限定)

Windows Helloやスマートフォンによる生体認証を使えば、パスワードを入力せずに安全にログインできます。指紋や顔認証を活用することで、強固なセキュリティと快適な操作の両立が可能になります。

パスキーの設定は各端末から行います。

  • Windowsa設定方法:Google アカウント → 「セキュリティ」 →「パスキー」
  • Android設定方法:GoogleアプリやChromeの右上のGoogleアカウントのアイコンをタップ→「Google アカウントを管理」→画面上部のタブから 「セキュリティ」 を選ぶ→「パスキー」の項目で設定する

2段階認証の設定で不正ログインを防ぐ

Microsoft アカウントの2段階認証を有効にすると、パスワードだけでログインできなくなります。万が一パスワードが漏れても、本人のスマートフォンなどに届く確認コードがないとログインできないため、セキュリティが大きく向上します。

設定は以下の手順で行えます:

  1. Microsoft アカウントにログイン
  2. [セキュリティ]→[2段階認証]を選択
  3. 2段階認証がオフであれば画面にしたがってオンにする
  4. 回復用コードが表示されたら保存する

特にスマホに「Microsoft Authenticator」アプリを入れると、簡単に承認できて便利です。


共有設定(リンク/アクセス権)

共有リンクの制御が重要

ファイルを共有するときは、「誰に」「どのように」共有するかを慎重に選びましょう。OneDriveでは、以下の共有方法が選べます:

  • リンクを知っている人全員がアクセス可能
  • 選択したユーザーのみに限定してリンクを送る
  • リンクに与える権限として「編集可能」または「表示可能」が選択できる

セキュリティを考えると、「選択したユーザー」+「表示可能」がおすすめです。

【共有手順】

  1. OneDriveにログイン
     ブラウザで https://onedrive.live.com/ にアクセスしてログインします。
  2. 共有対象アイテムの右にある「…」をクリック →「共有」を選択
     または、ファイルを選んで上部メニューの「共有」ボタンをクリックします。
  3. 共有ウィンドウが開いたら、共有の設定を行う
     共有リンクを送付するメールアドレス、権限(編集可能/表示可能)などを選択します。また上部にある「⚙️設定マーク」をクリックするとリンクの設定としてリンクが使える範囲(すべてのユーザー/既存のアクセス権を持つユーザ専用/選択したユーザー)が選択できます。

共有設定の確認と解除

ファイルを右クリックして[共有]を選ぶと、誰に共有しているかを確認できます。不要な共有は「リンクの削除」や「ユーザーのアクセス権の削除」で解除しましょう。

【リンク削除手順】

  1. OneDriveにログイン
     ブラウザで https://onedrive.live.com/ にアクセスしてログインします。
  2. 「マイファイル」や「最近使用したファイル」から該当のファイルやフォルダを見つける
     共有を解除したいアイテム(ファイルまたはフォルダ)を探してください。
  3. 共有対象アイテムの右にある「…」をクリック →「アクセス許可の管理」を選択 
  4. 「アクセス許可の管理」ウィンドウが開いたら、「リンク」タブをクリック 
  5. 現在の共有状態(リンク・ユーザー別のアクセスなど)を確認し、それぞれをゴミ箱アイコンをクリックし削除します。

ファイル復元(ゴミ箱/バージョン履歴)

ごみ箱の活用

OneDriveでは、削除したファイルが「ごみ箱」に一定期間保存されます。無料プランでも30日間は保持されているので、誤って消した場合も安心です。

復元手順:

  1. 左メニューから「ごみ箱」を開く
  2. 復元したいファイルを選んで「復元」ボタンをクリック

バージョン履歴で上書きミスを防ぐ

ファイルの内容を上書きしてしまっても、「バージョン履歴」から過去の状態に戻すことができます。

使い方は簡単:

  • 復元したい対象のファイルの右にある「…」をクリック「バージョン履歴」を選択 → 過去の状態を選んで復元

復元を選択すると、その内容が新たなバージョンとして保存されます。
たとえば、以下のスクリーンショットのようにバージョン11.0を復元すると、その内容をもとに新しいバージョン13.0が作成されます。
復元前のバージョン(この例では12.0)も残しておきたい場合は、あらかじめコピーを作成して別名をつけて保存するか、「ファイルを開く」から対象ファイルを開いて、別名で保存してください。


同期設定の使い分け

OneDriveは、PCと同期させてローカルフォルダのように使うことができますが、ブラウザのみで利用する方法もあります。それぞれのメリット・注意点を比較してみましょう。

項目同期する同期しない(ブラウザ利用)
利便性エクスプローラーで直接操作できて快適ログインが必要で少し手間
オフライン対応○(ネットなしでも使える)×(常にネット接続が必要)
セキュリティPC紛失時にローカルデータが見られる恐れありクラウドのみで比較的安全
誤操作リスクフォルダごと共有しすぎる可能性あり共有は毎回慎重に確認するため安全

🔍 特に会社や共有パソコンを使っている場合は、「同期しない」設定のほうが安全です。
個人利用で利用する場合、OneDriveで無料で利用できる容量が5GBです(2025年6月時点)とGoogle ドライブ(15GB)に比べ少ないため、例えば重要情報に絞ってバックアップ目的で「同期」するなどもおすすめです。


定期的な共有状況の見直しつ

共有リンクは、放置すると外部からアクセスできる状態が続くことがあります。「誰と共有しているか」「不要なファイルはないか」を定期的に見直すことが大切です。

スプレッドシートで以下のような情報を記録しておくと便利です:

  • ファイル名
  • 種類(ファイル/フォルダ)
  • URL
  • 共有先(メールアドレス)
  • 権限(閲覧のみ/編集)
  • 共有日
  • 用途

このように記録することで、定期的な棚卸しやリスク管理がしやすくなります。

記録用スプレッドシートの一部(イメージ)

ファイル名種類URL共有先権限共有方法共有日用途
顧客向け見積書.xlsxファイル[リンク]client@example.com閲覧のみ招待2025/06/24見積書確認用
提案資料2025フォルダ[リンク]marketing@team.com編集可社内リンク共有2025/06/15社内レビュー用

まとめ:少しの工夫で大きな安心を

OneDriveは、無料でも高機能なセキュリティ設定がそろっています。アカウントの守り、共有リンクの制御、復元機能の活用、同期方法の選び方まで、ちょっとした意識でセキュリティレベルを大きく高めることができます。

ファイルの安全は「設定したかどうか」ではなく、「どのように使い続けているか」が鍵です。今日からできる対策を一つずつ実践して、大切な情報を守っていきましょう。

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