インターネットを安全に使うために、パスワード管理は欠かせません。
とはいえ、すべてのサービスで強力なパスワードを設定し、それを覚えるのはとても大変です。
そんなときに活躍するのが、無料のパスワード管理ソフト「KeePass(キーパス)」です。
この記事では、WindowsでのKeePassのインストールから、基本的な使い方までをわかりやすく解説します。
KeePassとは?
KeePassは、以下のような特徴を持つパスワード管理ツールです。
- 無料で使える(オープンソース)
- データはローカルPCに保存(クラウド不要)
- 強力な暗号化技術で守られる
- マスターパスワード1つで安全にアクセス可能
自分だけの安全な「パスワード金庫」をつくるようなイメージです。
インストール方法
- 公式サイト(https://keepass.info)にアクセス
- 左側メニュー「Getting KeePass」の「Downloads」をクリック

3. ダウンロードページの「Download KeePass 2.x(最新のもの)」の「Download Now」をクリック

4. ダウンロードしたファイルを実行し、手順にしたがってインストール完了

5. インストールが終わったら、KeePassを起動してみましょう。
KeePassを日本語化する方法
KeePassはもともと英語で表示されますが、日本語化することで操作がぐっとわかりやすくなります。
以下の手順で、簡単に日本語化ができます。
1. 日本語ランゲージファイルをダウンロードする
- KeePass公式サイト(https://keepass.info/translations.html)にアクセスします。
- ページ内の「Japanese – 日本語」を探し、先ほどダウンロードしたKeePassのバージョンに対応したファイルをクリックしてダウンロードします。

- ファイル名は
Japanese.lngx
という名前のファイルです。
※ .zip
形式で配布されている場合は、展開して .lngx
ファイルを取り出してください。
2. 言語ファイルをKeePassのフォルダに移動する
- ダウンロードした
Japanese.lngx
を、KeePass本体があるフォルダ内のLanguages
フォルダにコピーします。
例:C:\Program Files\KeePass Password Safe 2\Languages
3. KeePassを起動して日本語を選ぶ
- KeePassを起動します。
- メニューから「View」→「Change Language…」をクリックします。

- 一覧の中から「Japanese」を選び、「OK」をクリックします。
- 再起動を求められたら「はい」をクリックしてKeePassを再起動します。
4. 日本語化の完了
再起動後、KeePassがすべて日本語で表示されていれば、日本語化は成功です。
設定やボタンの意味もわかりやすくなり、操作ミスを防ぐ効果もあります。
データベースの作成
最初に自分専用のパスワードデータベースを作成します。
- メニューから「ファイル」→「新規」を選ぶ
- ファイル名と保存先を決める(例:mypasswords.kdbx)

3. マスターパスワードを設定する(※絶対に忘れないように!)
次にマスターパスワードを設定します。

必要に応じて、「キーファイル」や「Windowsユーザーアカウント」との併用も可能です。
4. 「データベースの名前」(例:mypasswords.kdbx)を入力する。

5. その他の項目の値は規定値のまま変更しなくて問題ありません。
6. 緊急用シートが必要であれば印刷してください。

【印刷される緊急用シート】

7. バックアップの保存先やマスターパスワードは手書きで記入します。
8. マスターパスワードをそのまま書くのではなく、自分だけがわかるヒントなどを書きましょう。
パスワードを登録する
新しいエントリ(1つのサービスごとの情報)を追加していきます。

- タイトル:サービス名(例:Gmail)
- ユーザー名:ログインに使うIDやメールアドレス
- パスワード:設定しているパスワード
- URL:ログインページのアドレス
- メモ:補足情報など

「カギのマーク」から、ランダムな強力パスワードを自動生成できます。
この機能を使えば、覚えにくくても安全なパスワードが簡単に作れます。
パスワードの使い方
パスワードを使うにはまずKeePassを起動します。

使うエントリーの右クリックで「ユーザー名のコピー」「パスワードのコピー」が可能です。
コピーした情報は一定時間(デフォルトでは12秒)でクリップボードから自動削除されます。
他の人に見られる心配も少なく、安心です。
バックアップと注意点
KeePassのパスワードデータベースは、*.kdbx というファイルに保存されます。
このファイルは大切な資産ですので、定期的にUSBメモリや外部ドライブにバックアップしておきましょう。KeePass自体にはバックアップの仕組みはないので、自分でバックアップを行う必要があります。
また、以下の点に注意してください:
- マスターパスワードは絶対に忘れない
- 他人にデータベースファイルやパスワードを渡さない
- Windowsのパスワードも安全なものにしておく
- 他の端末と共有したい場合は、クラウド保存+暗号化などの対策を
まとめ
KeePassは、誰でも無料で使える強力なパスワード管理ソフトです。
インストールから使い方までシンプルで、初心者にもおすすめです。
最初は少し手間に感じるかもしれませんが、慣れれば「もう手放せない」と感じるはずです。
大切な情報を守るために、今こそKeePassを使い始めてみましょう。
次回予告
次回は「KeePassによるパスワード管理(クラウド編)」として、クラウド連携の方法を紹介予定です。
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